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姉の部屋の前に来た。耳をすましてみた…が、なにも聞こえない。
-勘違いだったのか…
『眠れや眠れ
夜も更けた
子供は皆
目を閉じて
決して開けるな
閉じた目を
開ければ其処に-』
「お姉ちゃん?」
理子は姉の部屋の戸を開けていた。
はじめて聴いた調べだったから。
理子の中で、嫌な予感は予感ではなくなった。
部屋の中で、姉は立っていた。虚ろな眼をして立っていた。
「お姉ちゃん?どしたの?こんな真夜中に?」
呼び掛けてもそのまま立っている。
と、姉がこちらを向いた。
笑っていた。
星明かりに照らされてその顔は-
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