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「・・・君。遅刻ね。」
「・・・はい。」
・・・・・・・・・・。
・・・無理だ。
・・・無理だったんだ。
・・・確かに100m走のタイム7秒6で計算すれば行けるが、所詮は100mだったんだ。
単なる中学生卒業したての、ホヤホヤ高校生には無理があったんだ。
「君の席は・・・・あそこだね。ちょうど自己紹介しようとした所だから、早く席について。」
と、担任とおぼしき女性教諭が差した先は・・・。
窓側三列目。
学園生活においての至高のオアシス。
教卓から最も注視されづらい席。
誰もが羨む最高のポジション。
やったぜ!これは最こ・・・。あれ。
「先生。おれの前の席も遅刻ですか・・・。」
「そう。全く・・・同じクラスに2人も初日から遅刻だなんて。校長に頼んで、担任変えてもらおうかしら。」
この教師何言ってんだぁぁぁあ!!!
入学式から担任変更なんて聞いたことねーよ!!
それに校長て!そこは、まず学年主任クラスに頼めよ!なんで初っぱなから最高位に直訴!?
なんで冒険始まって街でた瞬間ラスボスみたいな急展開!?
まずは、スライムで経験値稼げよ!
同期の先生にでも相談しろ!!
先輩教師に「ちょっと武器の素材集めにマラソンしませんか?」とでもいって、強い武器作ってボスに挑めよ!
しかも、なんで生徒が目の前にいるのに堂々と言っちゃってんのぉぉおぉ!
・・・はぁはぁ。
そりゃ、遅刻したこっちにも非はあるけど、それで。
くっ。こんな教師初めてだ。
「何をしてるの?早く座りなさい。」
あんたのせいだよ。ちくしょー。
ジト目で見てみたが反応がない。ただの教師のようだ。
この教師とは、あまり関わらないでおこう。
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