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「じゃあ、次。最後の人ね。」
もう最後か。
って。おれ意外は、普通の自己紹介だし。
なんで、おれだけ。
くそ。理不尽だ。
そりゃ、インパクトなし、顔の凹凸なし、個性なしの1年間よりは幾分マシだったかもしれないが。
それでも、皆の頭の中に記憶されたのは『あの人、あほだね。』だけじゃねぇか・・・。
おれは、汗だくになってまで走って登校し、遅刻し、あほになり。
なにがしたいんだぁぁあぁ!!!
ガラガラッ
ん?
「あら。重役出勤ね。」
男子生徒が入ってきたのはいいが。
なんだ、こいつ。
整った眉。切れ長の目。ちょっと高めの鼻。そして、八重歯。
なんとしても、目を惹くのが、赤い眼球・・・。
「ふっ。ぼくは、神だぞ。神に、人間の時間の概念が通用するはずがないだろう。この愚民が。世界を7日間で創ってやろうか。」
そして、馬鹿だった。
なんなんだ、この痛いヤツは。
あまり関わらないでおこう。
例え前の席でもだ!
おれは道化師だ。皆には、造り上げられた笑顔を見せ、おどけてみせる。どんなに笑われようと構わない。それが仕事だからだ。
演じるんだ道化師を!
「かみ?ぺーぱー?へあー?まぁいいわ。そのカラコンを外してあの席に座りなさい。」
流してみせただと!?
しかも、あの目カラコンだったのかよ。さすが腐っても教師だな。
そういえば入学の書類に写真もあったな。
なんだ名簿の写真と見比べただけか。
「ふっ、神に命令とは。まぁいい。今日は機嫌が良いからな。せいぜい、僕のご機嫌取りでもするんだな。」
やばい。こっちに向かってくる・・・。いや、席がこっちなだけなんだけど。
痛い台詞をはきながら来られると・・・
いやいや。笑顔だ笑顔。お前は道化師だ。おどけてみせろ。
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