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「そこの愚民。」
え。おれ・・・・だわな、明らかに。こっち向いて指さしてるし。
ってか、指をさすな。小学校で習わなかったのか。
「えと・・・。なに?」
隙を見せるな。指摘できない位が丁度いいはずだ。
相手が、どんなヤツか分からない以上 下手に発言すると痛い目を見ること請け合いだ。
昔、偉い人が・・・・うむ関係ないな。
いやいやとっさに思い付かなかっただけさ。
普段ならうまく言えたさ。
うん、きっと。
多分。
おそらく。
あわよくば。
「そっちのが日当たりが良さそうだ。この神と席を変わる事ができる権利を、特別にあげようじゃないか。」
「な ん で だ ー !!!お前は、あほか!!
初対面の相手に神だの愚民だの、頭のネジを家の玄関に忘れてきたんじゃねぇの!?
そもそも今は日当たり良いかもしれないが、時間がたったら日当たりも変わりますから!!
1時間たつごとに「そこの愚民に席をゆずる権利を与えよう。」とでも言う気かぼけー!!!
今すぐ帰れ!家の玄関に落としたネジを今すぐ取ってはめてこい!!」
はぁはぁ。
し・・・しまったぁァァアァア!!!!
無難に乗り切るつもりだったのに、道化師になりきるつもりだったのにィィイ!!
「ふむ。では荷物を持って移動したまえ。」そしてお前は、少しは動じろよぉぉおぉ!?
なんで、おれがあたかも肯定したかのように対応してんの!?
絶対ネジ10本以上落としてるだろ!?
もう生まれた瞬間まで還った方がいいんじゃねぇ!?
むしろ、こちらからお願いします!!いますぐお帰りになってください!500円あげるからぁぁあぁ!!!
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