『神崎ハシル』

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町を駆け抜ける1人の少年。 ランニングシューズの足音は薄暗い闇夜を切り裂いていく。 他に外に人の気配はなく、その足音は遠くまで響き渡る。 時間がないのか、その足音は次第に速くなっていく、路地裏を抜け、大通りへ出た。 「チッ…本気出すしかねーな」 彼の名は『神崎ハシル』50m走で5.8秒という記録を持っており自称世界1足の速い中学生だ。 いや、正確には違う、ハシルは世界1足の速い「14」歳だ。どこにでもあるような普通の家に生まれどこまでも普通に育ってきたハシルだったが、ほんの1ヶ月前に両親が王によって監禁されてしまい、1人残され、ついには学校へ行くこともやめてしまった。
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