Chess Game Ⅱ

９月２２日

「今現在の国家特別法002号、剣道限定廃止政策チェスゲームの進行を報告します」

暗い一室で、一人の若い男がマイクを右手に持ちながら後ろにあるスクリーン画面を見ながら言った。

ここは国家特別法002号 剣道限定廃止政策実行委員会に所属及び関係者達が集まる一室。
この暗い部屋で電気となるものは、スクリーン画面から漏れる光だけ
そのスクリーン画面をただマジマジと見る大人達いわば政府の人間が画面に映る棒グラフを見ている。

「見ての通りです。この剣道限定廃止政策が法になってから５年…未成年の犯罪率が少しずつ減っています」

剣道限定廃止政策が法に加わって５年。この国が一番問題となっていた未成年犯罪。
それが今国が考えた最悪なゲームのお陰で減っていた。

「…確かに減っているが、それと同時にわが国の成人いわば大人も同様に減っているんじゃないか？」

髭を生やした大人が棒グラフのスクリーン画面よりも机の上にある資料を見ながら言った。
確かに、この五年間未成年犯罪は減っているがそれと同様に社会人…いわば大人の数も減ることになる
これは、大きな欠点だ。