9月22日

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吸っていたタバコを近くにあった灰皿に落とし消すと同時に息を吐いた貴史は、実施校を聞いて少し笑った。 「川崎中学校に続いてまた、面白いところを俺に回すな…。いいのか?俺は八神中学校にいるある生徒のことをよく知っているぞ?」 貴史は実施校である八神中学校の事を知っていた。いや正確に言えば八神中学校にある人物の事を知っている 直接は関わったことはないが貴史とその人物は何らかの繋がりがあるようだ 「如月 陣のことか? そういえば…お前2年前の桜ヶ丘中学校の担当だったな そうだ、資料にのってある通りそこに書いてある名前は陣の弟だ」 貴史は、チェスゲームの実行官になって二年になる。 二年前初めて実施校である桜ヶ丘中学校を担当した 貴史は忘れるわけがない 如月の名前を 「実行は…随分早いんだな。10月2日か」 「お前の仕事進行具合は政府も高く評価しているが…2ヶ月前の杉村 一輝の件もあり、だいぶ評価が下がりつつある…だから二度目の失敗はないぞ?」 「…杉村 一輝。全国指名手配犯…確かにあのミスは大きい大丈夫だ今度はそんな失態を出さない」 そう言って貴史は後ろを向いて男に背中を向けて歩き出した。 杉村 一輝 川崎中学校チェスゲーム終了から約2ヶ月。未だに少年の行方は掴めてない 全国指名手配犯となった少年の名はこの国の全土まで広がっていた この件には約二年間勤めてきた貴史のミスであった 日本刀二本持ち出し逃亡 彼は今何をしているのか分からない
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