恐怖

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京五郎「兄ちゃん、まあこれでも食って落ち着けよ」 そう言うと京五郎はアレスにポーションを差し出した。 アレス「こんなデタラメな世界の食い物なんて食えるか!」 アレスはそう言い放ち、ポーションを拒絶した。 京五郎「落ち着けって言っただろ、怒鳴ったって何も解決なんてしやしねーよ」 アレス「…」 京五郎「このポーションってのはよ、食うと体力が回復するんだよ、だから食えって」 京五郎はポーションをかじりながら、再びアレスにポーションを差し出した。 京五郎がポーションを口にしているのを見て、安心したのか、アレスは無言でポーションを受け取り口に運んだ。 アレス「!」 ポーションを口にした瞬間、アレスは体力が回復して行くのを感じた。 アレス「何だ?これ?」 京五郎「だから言っただろ?」 京五郎「一応この携帯端末に書かれている通り、この世界の武器や魔法やアイテムって言った物は、ちゃんと効力があるみたいだ」 京五郎「さっき嬢ちゃんが使った、ヒールって回復魔法は、体力じゃ無くて傷を治す効果があって、ポーションって食い物は体力は回復するが、傷は治らないって訳だ」 マイ「でも何の為にこんな事をするのでしょう…ひどすぎます…」 マイは再び涙を浮かべた。 京五郎「さあな、だが主催側は嘘は言っていない。魔法やアイテムもちゃん説明通り、効果がある」 アレス「嘘は言ってないだって?怪我…いや、命を落とすなんて聞いてない!」 京五郎「そうだな、確かに命を落とすとは言っていないが、落とさないとも言っていない」 アレス「…」 マイ「…」 京五郎「だからよ、この端末の説明みてみろよ」 そう言いながら京五郎は、アレス達に端末をみせた。 それをマイが声を出して読んだ。 マイ「冒険の最終目的。それは伝説の霊薬エリクシールを手に入れる事です。エリクシールを求め冒険の旅に出発しましょう!」 マイ「伝説の霊薬…?」
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