42人が本棚に入れています
本棚に追加
この異様な状況に、マイは焦って呪文書をめくるが攻撃呪文が見つからない。
そしてオークは振り上げた斧を力一杯降り下ろした。
こっ殺される!。
俺は恐怖で目をつぶり、腕で頭を押さえて丸まった。
キーン!
その時だった。
鈍い音がしたと思ったら、1人の男があらわれた。
「兄ちゃん!大丈夫か!」
俺は恐る恐る目をあけると、そこにはオークが降り下ろした斧を、剣で止める体格のいい男が立っていた。
「おらーっ!」
その男は剣で斧を押し返すと、オークに剣を突き刺した。
急症を刺されたオークはその場に倒れた。
「おい!姉ちゃん!ヒールは使えるか!?」
その男はオークを倒すなり、マイに聞いてきた。
マイ「え?ヒールって…?」
「回復魔法だよ!」
マイ「いっいえ、私ウィッチなので回復魔法は使えません!」
マイは恐怖のあまり動転して涙声で答えた。
「おじさん私…私使えるよ…」
そう言ったのは最初に襲われていた女の子だった。
「でかした嬢ちゃん!あの兄ちゃんに回復魔法かけてやってくれ」
女の子はコクッとうなずくと、痛みで苦痛に歪むアレスに回復魔法をかけだした。
「始まりにして終わりなる方よ…万象をおんみの知恵のうちになしたもう方よ…あらゆる地で祝福されるよう約束された方よ…天にいまします我らが父よ…」
その女の子は呪文書も見ないでスラスラと呪文を唱えた。
女の子の手が光りだし、アレスの腕を包む。
すると吹き出していた血は止まった。
マイ「凄い…」
マイは女の子の回復魔法を見つめ、その場に立ち尽くした。
「姉ちゃん、ボケッとしてねーで行くぞ」
そう言うと男はアレスを背負い女の子と共に歩き出した。
マイは慌ててその男について行った。
マイ「あの…助けてくださってありがとうございました」
マイは男にペコリとお辞儀をした。
「なーにいいって事よ、困った時はお互い様だ」
最初のコメントを投稿しよう!