恐怖

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この異様な状況に、マイは焦って呪文書をめくるが攻撃呪文が見つからない。 そしてオークは振り上げた斧を力一杯降り下ろした。 こっ殺される!。 俺は恐怖で目をつぶり、腕で頭を押さえて丸まった。 キーン! その時だった。 鈍い音がしたと思ったら、1人の男があらわれた。 「兄ちゃん!大丈夫か!」 俺は恐る恐る目をあけると、そこにはオークが降り下ろした斧を、剣で止める体格のいい男が立っていた。 「おらーっ!」 その男は剣で斧を押し返すと、オークに剣を突き刺した。 急症を刺されたオークはその場に倒れた。 「おい!姉ちゃん!ヒールは使えるか!?」 その男はオークを倒すなり、マイに聞いてきた。 マイ「え?ヒールって…?」 「回復魔法だよ!」 マイ「いっいえ、私ウィッチなので回復魔法は使えません!」 マイは恐怖のあまり動転して涙声で答えた。 「おじさん私…私使えるよ…」 そう言ったのは最初に襲われていた女の子だった。 「でかした嬢ちゃん!あの兄ちゃんに回復魔法かけてやってくれ」 女の子はコクッとうなずくと、痛みで苦痛に歪むアレスに回復魔法をかけだした。 「始まりにして終わりなる方よ…万象をおんみの知恵のうちになしたもう方よ…あらゆる地で祝福されるよう約束された方よ…天にいまします我らが父よ…」 その女の子は呪文書も見ないでスラスラと呪文を唱えた。 女の子の手が光りだし、アレスの腕を包む。 すると吹き出していた血は止まった。 マイ「凄い…」 マイは女の子の回復魔法を見つめ、その場に立ち尽くした。 「姉ちゃん、ボケッとしてねーで行くぞ」 そう言うと男はアレスを背負い女の子と共に歩き出した。 マイは慌ててその男について行った。 マイ「あの…助けてくださってありがとうございました」 マイは男にペコリとお辞儀をした。 「なーにいいって事よ、困った時はお互い様だ」
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