南蛮船

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「確かに、ある程度は。 呼び方や単位などはそう ですが、長き戦乱のせい か、地域により若干の誤 差が生じてきている様で して」 「若干なら、ええんちゃ うの?」 「とんでもない、量によ っては大損を喰らい潰れ た店まで有るのですから 」 「えっ? そうなの?」 「坊様にも分かり易く言 うとすれば……。 おっ、そうじゃ、おにぎ り一個と団子十本。 どちらを貰えば嬉しい」 「どっちもくれるなら嬉 しいけど」 「それは無し、どちらか じゃ」 「じゃあ団子」 「うむ、数の多い方が嬉 しいと思うじゃろう」 「うん」 「でも、その団子が、こ んなに小さい団子で、お にぎりの方は、こんなに 大きなおにぎりであれば 、どうじゃ」 「おにぎりがいい」 「そうじゃろう。 これが商売で、ワシは普 通の大きさの団子じゃ思 うて銭を払ったら、小さ な小さな、普通の団子半 分にも満たない団子じゃ 。」
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