南蛮船

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食堂は何室にも分かれて いて、船長や姫巫子達の いる部屋が一番豪華で、 次に士官達の部屋、船員 達の部屋、水夫達の部屋 となっている様だった。 どうやら、出される食事 も、別の物が用意されて いるようだ。 「ある意味、我々の国よ り厳しいかも知れません 」 給仕が食事を運び終える のを待ってから、 「堺でも、肌の黒い者、 御覧になられた事が御座 いましょう」 「コンロン奴ですね」 「左様、彼等には、何も かも赦されておりません 。 生き死には勿論、自分の 意志、感情を持つ事さえ 赦されぬのです」 「? どう言う事?」 「彼等は、人として認め られておらぬ奴隷です。 労働力として売買される 物なのです」 「人身売買は普通にされ ていると?」
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