南蛮船

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「我が国も人身売買は行 われておりますが、彼等 程酷い扱いは、見た事も 聞いた事もありません」 「年期があければ解放さ れるんでは?」 「彼等に年期などありま せん、コンロンで普通に 暮らしていたところを、 捕まえられ、訳もわから ぬうちに奴隷として売ら れ、死んでも弔われる事 も無いのです」 「死んでも弔われぬのか 」 「何て酷い事」 「つまりは、人では無い のですよ。 王候、貴族、平民、その 上に法皇と言う、伴天連 の親玉、本願寺の光佐様 の様な方が居るとの事で す」 「オッチャン、話しが長 い、早よう御飯食べよう や」 「これは、申し訳ありま せん。 南蛮風の船と言うても、 食事は普通に用意致しま した。 さ、さっ、御召し上がれ 」
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