南蛮船

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「いっただきまぁ~す」 炊きたてのご飯、 蛤の椀、 鱧の天ぷら、 焼き茄子、 鯨の大和煮、 香の物、 「いただきます」 皆、美味しくいただいた 。 船だから、弁当の様な物 かと思っていたが、温か い、出来たての料理に、 皆驚いた様だった。 坊も満月も鯨が大好きで 、行儀が良くないながら ご飯に煮汁を掛け、それ だけで3膳も食べ、合わ せて6膳もお代わりをし た。 姫巫子は、鱧は天ぷらよ りも洗いの方が好きなの だが、夏の名残りの鱧料 理に、京に居る事を実感 した。 「ご馳走様」 食後には、まくわ瓜が出 た。 皆でつまみながら 「宗久殿、先程の話しで すが、彼等は何故弔うて やらのです」 「そうやで、人扱いされ へん言うたかて、物でも 壊れて捨てる時、ちゃん と供養せな、化けて出よ る」
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