南蛮船

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「さぁ、手前にその様な 事を言われましても。 でも、想像はつきます」 煙草盆を引き寄せ、ゆっ くりと煙管に火を点じ、 2~3ぷくしてから 「彼等は、ゼウスのみを 信じる一神教で、御座い ましてな。 他の神は皆、邪神。 邪教としております」 ポン、と煙管をたたき 「一つは、コンロン奴が 元々邪教信者。 一つは、神も仏も聖人、 仙人、鬼に魔物、何でも ござれの我々と違い、物 の考え方と言うか、価値 観が多様では無い。 一つの価値観しか持たぬ 世の中で、しかも身分、 階級がガチガチに固まっ ておりましたら、下層の 者は、浮かばれませんわ なぁ。 下層の者でも、まだ下に 、コンロン奴が居るとな れば、少しは気が楽に成 りましょう。 そう言った、不満に蓋を する道具に利用されてる のんと違いますか」 ひどい話し。
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