南蛮船

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気分が悪くなる。 「宗久殿、それはおかし いのではないか?」 「なにがです勧修寺様」 「彼等にしてみれば、宗 久殿も邪教徒であろう」 「さいです。 邪教徒でございます。 しかし、銭が出てくるう ちでの小槌。 悪い様に出来るわけ、お まへんでっしゃろ」 「お得意様か、なるほど な。 だが、何故、彼等の国が ガチガチに固まっている と?」 「何ヶ月も、何年も、未 知なる海へ冒険して来ま んねやで。 本国で喰われへんからに 決まってまっしゃろ。 裕福に暮らしていけるん でしたら、誰も好きこの んで命を掛ける様な事や りまへん」 「商人はそうであろう。 だが、伴天連はどうだ。 法華や一向宗徒に妨害さ れ、裕福に、どころか、 暮らしてゆく事さえ、ま まならぬと聞くが」
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