南蛮船

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「いずこの国でも同じ、 世が硬直し、にっちもさ っちも行かなくなれば、 その世を破壊するか、そ こを出て新天地を求める か、しかございますまい 」 「南蛮の珍しい物を新し いと我々は思っているが 、案外、南蛮人達は我々 の物を新しいと思ってい るのかもな」 「そやさかい、商売が成 り立ちまっしゃろうなぁ 」 淀川を下り、海に出て、 まだ陽のあるうちに堺へ と着いた。 今井宗久邸の離れで休ん でいると、堺代官の松井 友閑殿が訪ねて来た。 挨拶もそこそこに 「浅井備前守殿、御自害 あそばされました」 「何っ!!」 「えっ?嘘っ」 みんな信じられないと言 った様に暫く沈黙が続い た。
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