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その燃えるのを見つめつ
つ黙っていると
「姫姉ェ、小谷に戻るの
?」
坊が聞いて来た。
答えようと、少し口を開
けかけたら、不意に涙が
溢れ出て、止まらなくな
った。
「ウッ、ウ、ウ、ウ、」
「姫姉ェ」
坊が肩を抱き、胸を貸し
くれた。
思いっ切り泣き、泣き疲
れる頃には、波立つ感情
の整理も出来た様に思え
た。
宗久殿も満月も、根気良
く落ち着くのを待ってく
れていた。
「姫、小谷には、十二使
徒の誰かを向かわせまし
ょう」
「そやね、今、姫姉ェが
信長のオッチャンに会っ
たら、何を仕出かすか、
わからへんからな」
「何よそれ。
信長殿は、ちゃんと正し
い判断をした事くらい」
わかっているわよ、は、
声にならなかった。
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