かくれんぼってお尻を出した子一等賞なんだぜ。

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目の前に佇む雄々しい二本角の飛竜。 こうして睨み合いを続けもう何分になるだろう。 容赦無く照りつける太陽により地面からも熱が伝わり、砂原を吹き抜ける風も熱風と化していてこのまま睨み合いが続けば先に倒れるのは間違いなくこちらだ。 額に浮かんだ汗が髪を伝い鎧に落ちる音や、左手に握った片手剣【アイシクルスパイク改】の放つ冷気が音として聞こえる程静かだ。 時が止まったかのように静寂ばかりの時間を引き裂いたのは角竜だった。 おもむろに天を仰ぐ。 俺は咄嗟に右腕の盾を構える。 時が、動く。 砂原中に響き渡るような大咆哮。 ガードで備えていたから耳を塞ぐ事こそなかったものの、衝撃を受け止め切れず後方に大きく下がる。 デルクスが数匹、咆哮により地上に打ち上げられもがいているのを視界の端に認めながら、角竜ディアブロスに斬り掛かった。
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