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ぽつぽつと距離をおいて道を照らす街灯の下を、一人の少女が歩いていた。
もう真夜中近い時刻。
少女は一人、とぼとぼと疲れた足を動かしている。
決して夜遊びをしていたのではない。
勉強をしていたのだ。
少女は高校三年生、つまり大学受験を控えた受験生。
今日も塾に行って自習をしていたら、ついつい帰りが遅くなってしまったのである。
少女はふと立ち止まり、大きく息を吐き出す。
口から飛び出た空気がみるみる白く染まって、跡形もなく消えていった。
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