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周りから見たらまるでプロポーズをするカップルのように、橘は椎名の手をとった。
「……俺には恥も外聞もないが、これだけはある。俺は椎名、おまえが好きだ」
「………うん、知ってる、私もあなたが好きみたい……」
明日が来なければいい、そう願っていた。
今よりもつらい明日が来ると思っていた。
けれど、今思う『明日が来なければいい』は、今は、今よりももっと良い日なんてありはしないのだから。
「私、わたしはあなたが好き、こんなに大事なことは忘れたくない、だから、わたしを離さないで…」
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