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『教室かな・・・』
結局私は、授業が終わった後、新崎に伝えに行くことなんか忘れて、部活友達と遊びに行ってしまった。
自分の馬鹿さ加減に呆れながらも、途中で気が付いた私は学校に戻ってきたのだ。
『わー、もう人いない。』
グラウンドから野球部の声は聞こえたけど、校舎の中は静まり返っている。
時計を見ると、もう18時になろうとしている。
急いだ方がいいと思い、私は階段を駆け上がった。
ガラッ―――
教室の扉を開けると、誰かの机の上に座って携帯を弄る新崎がいた。
「・・・あれ、来たんだ。」
私が教室に入ると、すぐにそう言った新崎。
まるで、来ると分かっていたように余裕そうに笑うから、なんか悔しい。
『・・・・100万円、貰いたいだけだもん。』
私がそう呟くと、新崎はフッと笑って、机から下りて私に近付いてきた。
「だーかーらー。
それは彩芽ちゃんが勝ったら、だよ?」
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