第一章『麻帆良学園』

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     ◇◇ 隻眼の男の目の前。後頭部が異様に発達した老人、近衛・近右衛門。 一瞬。あの鬼、妖怪の類かと思ったが本人曰わく、一応人間らしい。 「ふむ。お主の事情は把握したぞ。──つまり、気付いたらあの森に居た、と」 頷き、老人は顎に手を当て、なにやら考え込んでいる。 ここで老人の横に居た眼鏡の男、高畑と言ったか、その男が、 「まだ君の名前を訊いてなかったと思うんだけど、──良いかな?」 そういえば教えてなかったな、と暫し考え、 「……グラナ、だ」
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