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「グラナ君、か。高畑・T・タカミチだよ。よろしく」
高畑は手を差し出し、待つ。グラナは数秒の後、
「お、おう。よろしく」
ぎこちない動作で握り返した。
……これが、握手か。
自分にとっては無縁の動作だったが、今こうして出来るとは、正直思わなかった。
「ふむ。お取り込み中の所悪いのじゃが、良いかの?」
「すいません、学園長」
構わんよ、と妖怪モドキが言い、グラナに視線が向く。
「で、ジーサンよ。俺に何を訊きたいんだ? 話すことは全て話したぜ」
「ふぉっふぉっふぉっ。何、簡単じゃよ。お主、随分と腕が立つようじゃから、──どうかのぅ? アルバイトをやってみるというのは」
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