112人が本棚に入れています
本棚に追加
◇◇
桜咲は驚いていた。
まさか、先日会った人物に再会出来るとは。
そして何より、
……先日の礼が言える……!
結果。先日の礼を言え、名前も訊けた。だが、予想外の質問もあったが。
特に、真剣を学校に持って来ていることについて詰問された。
……それに関しては参りましたね、本当に。
「つまり、貴方は学園長に呼ばれてきたアルバイト、と」
そして今現在。桜咲はグラナの話を聞きながら学校に向かっていた。
話を纏めると、そうなった。
桜咲としては有り難かった。正直、ここ最近は仕事が厳しかった為、まともに寝ていない。
仕事仲間の龍宮は平気そうな顔をしていたので不思議だ。
自分が怠けている訳ではないが、どことなく劣等感を感じる。色んな意味で。
「まあ、不本意だがな。あのジーサンも随分な狸だ」
そう言っているが、顔は笑っていた。
この学園でのアルバイトなのだろうから、警備員の仕事だろう。そう思っていたのだが、
「学園広域指導員だったか? それと警備の二つだ。面倒とは言わんが、危険らしいな」
どうでもいいといった感じだ。いや、実際どうでも良いのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!