第一章『麻帆良学園』

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     ◇◇ 桜咲は驚いていた。 まさか、先日会った人物に再会出来るとは。 そして何より、 ……先日の礼が言える……! 結果。先日の礼を言え、名前も訊けた。だが、予想外の質問もあったが。 特に、真剣を学校に持って来ていることについて詰問された。 ……それに関しては参りましたね、本当に。 「つまり、貴方は学園長に呼ばれてきたアルバイト、と」 そして今現在。桜咲はグラナの話を聞きながら学校に向かっていた。 話を纏めると、そうなった。 桜咲としては有り難かった。正直、ここ最近は仕事が厳しかった為、まともに寝ていない。 仕事仲間の龍宮は平気そうな顔をしていたので不思議だ。 自分が怠けている訳ではないが、どことなく劣等感を感じる。色んな意味で。 「まあ、不本意だがな。あのジーサンも随分な狸だ」 そう言っているが、顔は笑っていた。 この学園でのアルバイトなのだろうから、警備員の仕事だろう。そう思っていたのだが、 「学園広域指導員だったか? それと警備の二つだ。面倒とは言わんが、危険らしいな」 どうでもいいといった感じだ。いや、実際どうでも良いのだろう。
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