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どこかの森の中。その開けた場所に影が三つ。その内の一つは二メートルは優に越えている異形の鬼。
鬼は拳を放ち、二人の人間を殴ろうとした。だがそこに人間は居らず、拳は空を切り、大地に突き刺さった。
対する二人の人間は、そこから数メートル離れた所にいた。
少女は大男に文字通り担がれ、唖然としていた。
……速い……。
先ほど、この大男はあの鬼の攻撃を避けた。ただ避けたのならまだいい。だが彼は、
……私を担ぎ、さらに距離を一瞬で取った。
瞬動か縮地の類だろうかとも思うが、良く分からない。
だが分かる。彼はとても強い、と。
◇◇
……あっぶねぇー。
なんだあれ。結構速えぇな、ライズでも使ってんのか。
……つっても、俺の敵じゃねえな。
敵はあの鬼一体。周りは開けた広場。木々が沢山あるが、問題無いだろう。
……あっ、自然破壊になるな。
でも仕方ない。そう割り切ろう。
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