序章:幼い相棒

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  声量は小さかったが不思議と良く通った、雪華の言葉。 それを聞いていたのか、二段ベッド×2×10の、その全てからワラワラと人が出てきた。 その人数、合計40。 そして、その40人全員が雪華と同じ10代の少女だった。 ……………。 もう一度言おう。 ・・・・・・・・・・・・ 全員が10代の少女だった。 ……………。 ……おいおい。 俺達の肩身が狭いな。 ……後ろで「うほっ」とか言ってやがる二人は、最早空気として扱う事にした。 雪華が入り口で室内灯を点けなかったからだろう、 各々が、持っていた懐中電灯で雪華を照らす。 そうすると、後ろで手持ち無沙汰になっていた俺達にも光が来るわけで。 いやしかし、M110重いな。 7kgだぞ、7kg。 『ねぇ雪華、後ろの迷彩服はどちら様? もしかして、敵軍人とは言わないわよね?』 長髪の、大人びた少女が言う。 『えっと、この人達は………』 そう言って答えに詰まったのか、答えが欲しそうな顔でこちらを向く雪華。 そんな顔しなくたって、協力者には自己紹介くらいはするさ。  
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