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『俺達は、……詳しくは言えないが、とある特殊部隊の人間だ。
俺はその隊員、コールサイン〝ハニービー〟。
後ろの二人は同じく隊員の〝オリックス〟と〝スパイダー〟だ。
質問は?』
『はい』
いつの間にか俺達を中心として半円を描くように座っていた彼女達の、左の方から手が上がる。
起立した彼女は、先程雪華に詰問していた少女だった。
『どこの国ともしれない貴方達が、〝一応〟北朝鮮軍所有のこの基地にいる目的は?
それによっては、全員武装して貴方達の相手をする事になるわよ』
訓練を真面目に受けていたらしい。簡単に人を信じない、素晴らしい質問だと俺は思った。
『そう来ると思ったよ。
まず、俺達の目的を言おう。
俺達は、“この基地を制圧、奪取し、敵の橋頭堡を砕く”為にここにいる。
その為には、ここに停めてある大型兵器の数を減らす事と、後々ここに来るであろう機甲部隊の破壊が最重要になる訳だ。
そこで、君達に協力して貰いたい』
『この基地の奪取、制圧………ね。それで、協力とは?』
『文字通りだ。
単刀直入に、ここの奪還に協力してほしい。
誰かこの中で、司令塔、格納庫、武器弾薬庫、捕虜収容所。
この4つの場所を知っている者はいるか?』
彼女らを見回す。
すると、暗闇の中にぽつぽつと手が上がっているのが見えた。
左側から発言を促すと、ショートカットの何やら内気そうな子がおずおずと話し出す。
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