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『あ、あのですね。
私、最近まで司令部の方で勤務していたんです。
どうにも失敗ばかりしてしまって、数日前に巡回班に回されたんですけど………。
なので、司令部の場所と内部構造は知ってますよ』
『司令部か………。
君、名前は?』
『あ、ファン・チュンヨン(黄 春寧)と言います………』
『了解、ありがとう。道案内の時は、よろしく頼むよ』
『あ、はい!』
春寧がさりげなく出してくれた基地の地図に司令部の位置を書き込み、次の話を聞く。
情報量が多ければ多い程、作戦成功の幅が広がるってもんだ。
『パク・ランファ(博 狼華)だ。
アタシは武器弾薬庫の位置を知ってる。
場所は塀に沿って並んでる兵舎の列の一番向こう、距離にして大体150mくらい。
巡回の時にその辺りを回ったんだけど、中が見たくなっちゃってね。隙をみて覗いたことがあるんだ。
ライフルだったり手榴弾だったり爆薬だったり、とにかく色々保管してあったよ』
『ありがとう狼華。
これで武装には困らないな』
『武装には困らない?
あんたらは自分の背負ってる武器があるじゃんか。
何で必要なんだ?』
『ま、それは後々、な』
『ふぅん、そか』
了解したのか、狼華はよいしょと座り込む。
次に立ち上がったのは真ん中よりやや右の奥、一番最初に起きて来た子だった。
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