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『私は、イ・チャウン(梨 慈恩)と言います。
整備班に属しているので、特に上から言われない限りはほぼ全ての格納庫に出入り出来ました。
場所はここのちょうど反対側、縦横20m×16mの格納庫が14棟、7棟ずつ二列に並んでいます。
基本的に一棟につき戦車が4台、間を詰めれば6台は入る筈です』
『ふむ。
じゃあ、ここに配備されてる戦車とかの構成はどうなってるんだ?』
『えっと…………。
戦車は合計20台、その内18台が天馬Ⅳ号ですね。
指揮官用に暴風号が2台あります。
装甲車は16台、全てBTR-60PBです。
今は後に来る機甲部隊の為に間を詰めているので、配備されている物は1~5番棟を使っていますね』
『そうか…………。
ありがとう、慈恩』
『いえ、お構い無く』
よし、これで大体の施設の位置が掴めた。
「オリックス、スパイダー。
皆から聞いて、書き込んだ施設の位置だ」
施設外観図を懐中電灯で照らし、二人に見せてやる。
「ふむ、格納庫は反対側、司令部は南東の端か…………。
最短距離で200mオーバー、しかもその間に障害物は無し、と」
エバンスが真面目な顔で言う。
「その通りだ。
しかも、明日の朝にはある程度作戦が成功してなきゃならない。
取り敢えず、俺達3人だけじゃ出来る事なんか少ししかないから、どうしたってこの基地の奴等に協力を仰がなきゃならんな」
「そうだな、ダイ……いや、ハニービー」
俺達は一度、顔を見合わせて頷いた。
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