序章:幼い相棒

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  2015年11月13日 朝鮮民主主義人民共和国、セポ(洗浦)近郊_ 「こちらハニービー。 “アンティーク”、応答しろ」 《こちら“マッドスキッパー”! 俺は骨董品じゃねえ! 言い直せバカ野郎!!》 「そろそろ目的地に着く。 ヤツの動向は?」 《人の話を聞けっ!》 「ヤツはどこにいるんだって聞いてんだよ、マッドスキッパー。 テメエが爺さんの話ばっかするから言われんだ」 《良いじゃねえか別に! 俺の爺さんは凄いんだじょ!?》 「語尾がおかしい。 で、ヤツは?」 《ちっ………… 洗浦より北5kmに到達。戻って来る様子はない》 「了解。 これより突入する」 《特攻して死ね、ロリコン。 オーバー》 ………あんにゃろう。 俺はロリコンじゃねえって言ってんだろうが。 「………しゃ、行くか。 ハル、起きろ」 隣で座ったままグースカ寝ている少女を揺する、が。 「にゃう―――………」 あろうことか、起きずに俺に抱きついて寝やがった。 「おい、起きろっつの! 突入だ! さっさと得物を背負い込め!」 「うー………」 少女は、まだ脳が三分の一程度しか起動してなさそうな眠い目を擦りながらゆっくりと荷物を背負う。  
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