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……ん?
(今どこからか、の声が聞こえた気がしたんだが……。
気のせいか?)
『―――――…………』
(いや、気のせいじゃねえ。
このあたりに、何かがいる!)
そう判断した俺は、SG550を構えていつでも撃てるように整えた後、「何か」の声が聞こえた方向へゆっくりと歩く。
もう一度聞こえれば…………!
『―――――…………』
聞こえた!
右方向、距離20m!
狭い廊下を、足音を立てずに走る。
20m程走ってとあるドアに辿り着いた時、タイミングよく中から声が聞こえて来た。
『ニャァ―――ォ…………』
………何故に、猫?
気になった俺は、ドアノブを捻った。
鍵は閉まっていなかったらしい。
ゆっくりと、銃口を滑り込ませながら、予想外に分厚かったドアを開いた。
隙間からまず見えて来たのは、暗闇と、照明によって照らされたコンクリートの地面。
さらに開くと、黒光りする鉄製の檻が視界に映る。
中心にいたのは、肌色と焦げ茶のヒトカタマリ。
……要は、素っ裸の人間だった。
(………は?)
部屋に入って、俺、呆然。
思考停止した俺の後ろで、ばたむ、と音を立ててドアが閉まった。
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