序章:幼い相棒

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  門までの500mを素早くクリアし、側の塀に張り付いて周囲を見る。 …………どうやら、敵はいないらしい。 一旦止まって、内部に侵入する旨をマッドスキッパーへ伝える事にした。 「こちらハニービー、正門まで辿り着いた。 これより基地内部へ潜入する」 《こちらマッドスキッパー。 少し待ってくれ、オリックスとスパイダーがそっちに向かってる。 もうすぐ合流出来る筈だ》 …………? 単独潜入じゃなかったのか? 「マッドスキッパー。 単独じゃねえのか? スリーマンセル(三人一組)なんて指示は無い筈だぞ?」 《それが、チョルウォン(鉄原)で網を張ってる別動隊から連絡が入ってな。 戦車10台、装甲車25台で構成された機甲部隊がそっちの方へ向かっていったらしい。 おおかた、最前線であるイムジン(臨津江)川の橋を突破するための増援ってとこだろう。 やつらは恐らく、そこの基地で一泊して、明日の朝に攻勢を掛けて橋を奪う作戦になっている筈だ。 米韓戦車隊も、明日に備えて戦力を増強させてる》 「となると、俺達はそいつらの台数削減と破壊工作がミッションに加えられる訳だな?」 《そう言うこった。 その為のC4やら弾薬やらは後続の二人に持たせてある》 「了解。 二人が着き次第、内部に侵入する」 通信を切ると同時に、こちらへ向かって小山を駆け降りてくるオリックスとスパイダーの姿を見つけた。  
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