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―そろそろ頃合いだろうな…
歩がそんな思考を脳内で過ぎらせながらも、懐から取り出した白銀色の懐中時計を見つめていた。
すると、彼の目の前に鮮血色の光を放つ浮遊物体が出現する。その光は一つだけでは無く、無数に辺りに発生し、一ヶ所に収束して行って人並みの大きさに変わると、水飛沫が弾ける様にして鮮血色の光が消え去って一人の少女が姿を現わした。意識を失っているらしく、仰向けに横たわったまま目を開かない。
その少女は、穢れ一つを見せない腰まで伸びた艶のある純白の髪に雪の様に白く透き通った肌に美しく整った顔立ちと容姿、スラリと伸びた高い背丈、その身に一糸纏わずに魅力的過ぎる裸体を晒していた。
彼女の名は道流華(タオ・ルーファ)。魔族と呼ばれる種族のミュータントの少女で、ミュータント管理局の管理局近衛兵にして殲滅部隊の副班長である。
流華の特殊能力は主に三つ。あらゆる致命傷からも復帰出来る超高度な再生能力と、ミュータントの特殊能力を封じられている阿修羅端末を駆使する力と、体内に搭載された特殊基幹ASプロトドライヴから精製されるAS粒子を駆使する力を持っている。
彼女は『DEMON』と称される魔族のミュータントの片割れで、彼女は『ANGEL』と称される魔族のミュータントの少女だ。
流華は先程、花子デラックスとの戦いで、突如乱入して来た太郎デラックスの攻撃を受けて全身を衣服諸共木っ端微塵に吹き飛ばされてしまったのだが、彼女を筆頭とした魔族と呼ばれるミュータントは高い再生能力を誇っており、肉体を木っ端微塵に吹き飛ばされたとしても再生して復帰を果たす事が出来るのだ。
彼女の片割れにして双子の兄である道流神(タオ・ルーシェン)も、全身凍り付けにされて粉々に砕かれても無事に再生を果たした。
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