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俺だっておもいっきり酔っぱらいたい気分なんだよ、、、それにあんたは待っている人がいるだけいいじゃないか、俺にはなぐさめてくれる人もいやしない。
ユチョンは地下鉄を降りて家へと急ぐ。途中コンビニでビールを5本ほど買い込み、つまみに枝豆も買った。まだ旬には早いから冷凍なのだろうと容易に想像できたが、手が勝手に好物へと動いていた。
コンビニを出て真っ暗な空を見上げる。まだまだ雨はやみそうにない。天気予報なんて物を注意して見たことがないから、この雨がいつまで降り続くのか検討もつかなかった。
小さく舌打ちすると買い物袋をぶら下げて走りだす。家はすぐそこに見えている。
ーにゃぁ~
横断歩道を渡りきると正面のビルの軒下に見慣れない猫がいた。まだ子猫なのだろうか、20㎝ほどの白猫で印象的な黒い濡れたような瞳でこちらを見ていた。雨で汚れていなければ結構可愛い猫だろう。
「どうした、迷子か?」
ユチョンが手を差し伸べると、首を伸ばし鼻先を手の平へと近づける。微かに触れた猫の鼻は氷のように冷たくて、
「一緒に来るか?」
そう呼びかけていた。
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