54人が本棚に入れています
本棚に追加
付き合った彼女たちは褒めてはくれるが的確なアドバイスをくれるわけではない、歌で成功できないイライラが募り俺の自分勝手な言動で振り回したあげくに破局に至る。先週一ヶ月付き合った彼女と別れたばかりだ。これでも、結構もったほうで、一週間なんてのも入れれば名前すら覚えていない。
「おまえ、腹減ってるんじゃないか?」
ーにゃぁ
「腹減ってるんだろ!」
ーにゃぁ
「何もないけど、ご飯に鰹節ぐらいならあるぞ」
そう言って立ち上がり、ご飯に鰹節をかけてやる。
「牛乳なんてものは最近買ったこともないからな、、、ビールってわけにはいかないから、水でごめんな」
ーにゃぁ
そばまでやってきて猫が鳴いた。やはりお腹がすいていたのだろう、小さな返事とは裏腹にがつがつと食べ始める。
「腹がすいてるなら、早く言えばいいのに、、、って、猫だからな、、、」
頭を撫でるとまた、にゃあと鳴く。
ユチョンは猫の側にしゃがみ込み、体を撫でてやりながら話しかける。
「このまま飼ってやりたいけど、ここペット禁止なんだよ。見つかるとうるさいから悪いけど雨があがったらさよならしないと、、、おまえが人間ならよかったのにな」
そう言って猫を抱き上げると頬ずりした。
「おっ、可愛い顔しておまえオスじゃん。どっちかっていうとメスが好み」
ユチョンが笑うと、にゃ~~~あごと文句ありげに猫が足をばたつかせる。
「悪い悪い、今日はすごく人恋しいんだよ。独り寝したくない気分なんだ、、、一緒に寝てくれよ、、、」
ぎゅうぎゅう猫を抱きしめると、そのままベッドに倒れ込む。
「猫を押し倒したのは初めてだよ、、、おまけにオスだし、、、」
猫がユチョンの頬を舐める。
「なんだ、なぐさめてくれるのか? 寂しくて死にそうだよ、おまえがいてくれてよかった、、、おやすみ」
猫にキスすると毛布を頭まで引き上げる。
最初のコメントを投稿しよう!