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ブラインドの隙間から日差しが差し込んで眩しさに腕をかざす。 ブラインドは引っ越したときにすでに付いていた物で、遮光カーテンに替えようと思いながら5年が過ぎていた。一度ベッドの位置は替えたことがあったが眩しさは変わらず、その時に半分あきらめたというか、この方が寝坊することがなくて朝の弱い自分には合っているかもと前向きに考え直したのだ。 「あーーーーーーーーーーー!」 ベッドの中で大きく伸びをしてユチョンは目を擦りなんとか開こうとがんばるが、まだまだ開かない目をもてあまして再び閉じる。そして背中に人の温もりを感じて条件反射で抱きしめる。 「おはよう、有紀、、、」 って、、、なんでこんなに硬いんだろう、、、有紀痩せた? いや、、、この感じは、、、 おそるおそる目を開けて、しっかと抱きしめているその体を手で撫でる。 硬くて広い背中、この筋肉、、、お、、お、、男、、、 慌てて毛布をめくりあげると、全裸の男がユチョンの隣に丸くなって寝ていた。はぎ取られた毛布に驚いたのか、大きな目をさらに大きく見開いて。 「な、、、な、、、な、、、」 ユチョンはパタパタと自分の体に手を這わす。そしてしっかり服を着ていることを確認すると胸をなでおろす。 「よっ、、、よか、、った、、、って、、、おまえ誰だよ、、、」 「僕、、、僕は、、、あれっ、、、」 彼も自分の体を確認するように、隅々まで手で触り、パーツひとつひとつに目を白黒させながら小さな声を漏らす。
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