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「や、あっ、あれれ、んんっ、な、こっ、なん、、、あーーーー!!!」
「なっ、、なんだよ、、、俺は何もしてないぞ、、、」
ユチョンが後ずさりながら気まずげに視線を外す。
「ない! ない! しっぽ! 僕のしっぽ!!!」
「はっ?」
「耳、、、耳も、、、」
「耳あんだろ、、、」
「ちがう、、ちがう、、、これじゃなくて、、、ここに、、、」
と頭の上を両手で押さえる。
しばらくじっと見つめ合った後、ユチョンが口を開く。
「服着たら、、、」
「持ってない」
「着てた服があるだろ、まさかここまで裸で歩いてきたってか」
「だって、猫だから、、、裸じゃない、真っ白の毛があるもの」
「おいおい、おまえが昨日のあの猫って、、、」
「あなたが、僕が人間だったらいいなって言ったから」
「まさか、、、本当に、、、」
夕べまで猫であっただろう彼がこくこくと頷く。
「人恋しくて、独り寝が嫌だから一緒に寝てくれって言ったじゃん」
「わーーーーーーーーーーー!!!」
ユチョンがぶんぶん首を振る。そんな恥ずかしい話し、相手が猫だから言ったのに、、、
彼が驚いて後ずさる。よく見るとあちこちに引っ掻き傷が無数にあって、まだ新しく生々しい赤い血が滲んだものが肩に痛々しかった。
「血が出てる」
ユチョンが指さすと、彼は顔を近づけて舐めようとする。
「消毒しないと」
「舐めておけば大丈夫。いつもそうしてるから」
彼はペロリと舌を出して笑ってみせる。
切れ長の大きな目をくるくると動かして彼がこちらを見ている。どうやら間違いなく昨日の猫らしいとユチョンは思う。信じられないことだが、状況からいってそれ以外考えられない。頭をガシガシとかき回し、頬を数回叩いて思い切って聞く。
「名前なんていうの」
「名前、、、ええっと、いろいろ呼ばれてるから、、、白とか、チビとか、だいふくとか、でも僕はジェジュンが気に入ってる」
「ジェジュン、、、、取りあえず、俺の服着ようか、、、男同士でもその、、、目のやり場に困るし、、、」
そう言ってTシャツとジーンズを取り出し彼の方へ投げる。
ジェジュンは不思議そうにユチョンを見ると、嬉しそうに腕に絡みつく。
「だっ、だから服を着てくれ!」
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