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男性が開いた手からは、黄色の光を纏(まと)った剣が現れそれを右手のままで持ち、構える。
「どういう了見なのかな~これは謝罪だけじゃ済まされないよ、ヘルメス?」
その言動を見たラサは、フッと鼻で笑うような態度を見せると今度は男性と同様に右手を開いた。
だが現れた剣は、真っ白な色。
「別に許されようとは思っていないんだけどね、逆にあえてそうして見せ―――」
そこまでラサが発言すると、男性は一気にチカラを足に集中させて勢いよく地面を蹴り、瞬間的にラサの懐に飛び込む。
男性の白くて、ひとつに束ねてある髪が大きく揺れるほど力強く踏み込んだ攻撃。
ラサは男性が横に薙ごうとした剣を、自分の剣で防ぐと2人の刃競り合いになり、先に男性がラサの剣を力づくで振り払うとバックステップで後ろにさがり、後方にいるであろう弟子に伝えようとラサの行動に注意しながら、話していく。
「レオ!!撤退だ。このままじゃ不利だから、今すぐ他の皆と一緒に戻れ!!」
「はっ、そんな事―――」
そうレオが発言している途中でラサが男性に切り掛かろうと、男性の背後に瞬間的に回る。
だが、男性も身体を捻らせて剣と剣で防いでいく。
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