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「男かな…女かな…」
「まだ分かんないよ!
今日病院行ったら妊娠3ヶ月だって」
「名前…何する?」
「気が早いってば!」
智尋は嬉しそうにずっと私のお腹に手を当てて見つめていた。
…でも、実は私、妊娠の結果を聞いてからずっと子供の名前を考えてました。
「……あのね、智尋…
私、赤ちゃんの名前の案があるの」
「なんだよ、留奈だって気が早いじゃん!
…で、候補って?」
「智尋の両親…亡くなってたから結婚するときに私、初めて名前知ったの…
城河賢(ケン)さんと珊(サン)さん…
智尋をこの世に産んでくれたのご両親の名前にあやかって…
男の子だったら“レン”女の子だったら“ラン”」
……どうかな…
お会いしたくても、会うことは叶わない智尋のご両親に、私は心から感謝してる…
こんな素敵な人を産んでくれて…
だから…
「音が…一緒だ。
父さんと母さんの名前と…
良い名前だな…そうしよ。
ありがとうな、留奈…」
智尋はまた私を抱きしめた。
幸せだなぁ、今…
あなたも、この幸せに巻き込んであげる。
待ってるからね…
私たちの幸せの宝…
【おまけ。END】
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