チビバスケット

Ⅰ

（身長が低いからって誰もが小学生なわけあるかー！！）

先ほどの同じ１年生だとわかる新しい制服を着ていた女生徒に小学生と言われ、翼は少なからずムカついていた。

重く感じた制服とカバンを引きずり、やっとの思いで入った体育館には大勢の生徒がパイプ椅子に座っていた。

２.３年生の何人かはステージ横で先生と話している。恐らく生徒会の人たちだろう。

翼は自分の名前が書いてある席に座った。両隣を見たが、まだ来ていなかった。名前を見ると名字が一緒だった。

（……双子か？）

翼は名字を見て双子だと思ったが、それよりもこの二人がまだ来ていないと言うことに少し心配していた。

何故なら、入学式まであと5分もなかったからだった。