秋の夜長に

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「寒い……」 街灯の光すらまったく見えない暗闇に、俺のため息が消えていく。 「君はいつも文句ばっかりだねぇ」 俺の隣に当たり前のように陣取ってるこいつは、いつもの如くケラケラ楽しそうに笑っている。 対して俺はブスッとして鼻を啜っている。 仕方がないだろう。 季節は長かった夏をあっという間に追い越して、秋が早足で駆け抜けていっている。
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