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俺は田舎から送られてきたリンゴを一つ手に取り、そのままかぶりついた。
シャキッとした歯ごたえ、ジューシーな果汁、さすがじいちゃんの育てたリンゴだ。今度お礼に何か送ってあげよう、そう思った。
―――ガキィン!
口内から鈍い音が響く。
さらに、口の隙間から、血が流れ出した。
――なんだ、これは。
手のひらに食べかけのリンゴを吐き出して、確認した俺は、絶句した。
リンゴの中に、五寸釘が混じっていた――。
ははっ、じいちゃんのやつ、手の込んだイタズラしやがって、怪我したらどうするんだ、怪我したら―――
五寸釘なんてものを飲み込んで、怪我で済むわけ無いじゃないか!!
殺そうとしたんだ、じいちゃんは! 俺を――!!
咆哮、錯乱、狂気!!
気づいたら俺はエレキギターを掻き鳴らしていた。
―――じいちゃん、聞いてくれ!
俺の魂の叫びをっ!!
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