牽制

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「大丈夫?海」 「………ああ」 瑛太と海は古閑家に着いた。 「海。部屋で休むか?」 具合が悪いって言ってたから 早く休ませないと。 「…」 「海?」 「ソファーで良い」 リビングにあるソファーで という事なのか? 「何かして欲しい事はある?」 風邪とかだったら、見ずとか用意しなきゃ。 「………こっち来い」 既にソファーに座った海が呼んだ。 「何?」 グイッ! 「うわっ?!」 ドサッ! 「痛っつ?!」 海に引っ張られた瑛太。 「な…何?」 「怠い」 瑛太をソファーに座らせ 「う…海?!」 海はソファーの上に寝っころがり、 「ちょっとだけ…貸せ」 瑛太の膝に頭を置いた。 いわゆる…膝枕をさせた。 仮病使ってまで、一緒に居たかった。 家ではあいつらが居る。 学校ではどうしても二人きりになれる事はないだろう。 だから、チャンスがあるこの時は 瑛太を感じていたい。 傍に居てくれる時を大切に… 「海…」 どうか、二人きりの時は 俺を拒絶しないでくれ。 俺だけのものになってくれ… 「…寝ちゃった」 まさか、海に膝枕をさせられるとは思わなかった。 「…疲れたのかな?」 寝息が聞こえる。 気持ち良さそうに眠るから 起きるまで このままで居てあげるか。
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