俺の彼女

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俺は当時まだ医大に通う学生だった。 まだその頃はあまり身体に異変は感じていなかった。 当時の俺は、医師国家試験の受験勉強に明け暮れ寝る暇も惜しんで勉強していた。 晴れて医師になり、そして念願の外科医になった。 勤務を始めて3年目、ようやく1人前としての駆け出した。 学生時代の俺はある看護科の1人の学生に一目惚れをした。 彼女の名前は 青島 美季…… 後で調べて知ったのだか、彼女の父親は青島製薬の社長…… そんなセレブなお嬢様が何故、ナースになったのか不思議でならなかった。 入学式の後テキストを友達と真剣に見ていた姿が忘れられない…… そんな俺も28歳になり、そろそろ恋愛も真剣に考えねばと、思った矢先、俺は病に蝕まれている事に気づいた。 もうすぐ恒例の人事異動が発令される。 医師としてやっと1人前と認められた俺に、まだ発言権はないが、剣持先生の力を借り、彼女を外科に引き抜く事に成功した。 青島製薬の令嬢の彼女を俺の手元に置くため…… 「青島さん今日からよろしくね」 「高瀬先生よろしくお願いします」 「ああこちらこそよろしく頼むよ、救命センターでは君はかなり優秀なナースだって評判だったからね」 「高瀬先生、私はそんなに優秀じゃありませんよ」 「青島さん今日もそのピアスを身に付けてるね」 「本当はいけないんですけど、先生から戴冒式に戴いたのが嬉しくて……」 「青島さん…… そのピアスの意味知りたい?」 「えっ?」 彼女の驚いた顔を俺はじっと見つめていた。 「そんなに驚かなくても…… 僕たちは……」 「高瀬先生、仕事中ですよ」 「いや君を見てるとつい」
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