-珈琲-

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-珈琲-

疲れ切った空から 焦燥の風が吹く 歪んだ感情を吸い上げて 濁りきった雲から落ちる 悪意の雨に濡れた 傷だらけの緋色の翼 死よりも残酷な運命が ゴミの様に溢れてる 異臭に満ちたこの街で 群がる毒牙に侵され 翼を失くし迷ったのなら 死にたいと 叫ぶといい 溢れた雫と心の破片を 拾い集めて迎えにいくよ だから離さないで 血塗れのこの手を 哀しみが沈殿して 珈琲の香る朝に 何度だって連れていくから
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