1 フラれた二人はライバル、同志

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「は?なんだよそれ?」 唐突な優奈の提案に、瞬は首を傾げる 今から大海原に幻の秘宝でも求めて冒険に旅立つんですかー?と思わず突っ込んでしまうようなランランと輝く目の優奈は、 人差し指をつんと立てると腕を高々と突き上げた 「あたしは、楠本君。木ノ下君は亜紀。どっちが先に恋人になれるか、勝負よ!」 あーやっぱコイツ変わってんなぁ~と思ったのは、胸にしまって、瞬はニッと歯を見せて笑った 「…別に、いいけどー。お前にゃ負ける気しないな」 「なによ!…よし!決定ね!おっしゃー!がんばるぞー!」 「おぉーーっ!」 妙な意気投合から、フッた相手にリベンジをすべく、 ライバルとなった二人 さぁてどうなることやら… ガラッ 「なにやってんだー?」 突如開いた教室の扉 暗くてよく見えないが、そのドスの聞いた声で、それが担任の荒川だとすぐわかる 「うわっ!」 「先生!?」 「…なんだよ、木ノ下と…川野か?真っ暗闇で大声なんか出しやがって!さっさと帰れー!」 担任も声だけでそれが瞬と優奈だと気づいたらしい 「はぁーい!」 「じゃぁねー!」 バタバタと教室を飛び出して笑顔で手を振り去っていくふたりを、あきれ顔で見送る担任 「…あいつら、付き合ってたっけ?」 そんな誤解も、生まれた日だった
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