1 フラれた二人はライバル、同志

6/7
前へ
/7ページ
次へ
「あきらめんの?」 ふいに向けられた瞬の疑問に、爆笑の渦は影をひそめ、優奈は「んー」と考え込む 同じく考える瞬だが、そんなに時間もかからず、表情は穏やかに前を向く 「…俺、あきらめられないような気がする」 「あ~あたしも~」 ふわりと優奈が言葉を重ねれば「だよなー」と笑顔を見せる瞬 相手が高嶺の花だとか、関係なくて、ただ単純に好きだという気持ちは、フラれたからといって簡単に消えてなくなるもんじゃない ただ諦めが悪いだけともいえるけど いつのまにか真っ暗になった教室の真ん中で、 二人は真っすぐに見つめあっていた ついさっきフラれたのが嘘のように もうフラれたことなんて忘れて、なかったことにして、四次元ポケットにしまいこんで 同じ日にフラれた連帯感? でもまだ諦めたくないのは、同志がいるから? 「ねぇ、どっちが先に想い人と付き合えるようになるか、競争しない?」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加