45人が本棚に入れています
本棚に追加
「は?なんだよそれ?」
唐突な優奈の提案に、瞬は首を傾げる
今から大海原に幻の秘宝でも求めて冒険に旅立つんですかー?と思わず突っ込んでしまうようなランランと輝く目の優奈は、
人差し指をつんと立てると腕を高々と突き上げた
「あたしは、楠本君。木ノ下君は亜紀。どっちが先に恋人になれるか、勝負よ!」
あーやっぱコイツ変わってんなぁ~と思ったのは、胸にしまって、瞬はニッと歯を見せて笑った
「…別に、いいけどー。お前にゃ負ける気しないな」
「なによ!…よし!決定ね!おっしゃー!がんばるぞー!」
「おぉーーっ!」
妙な意気投合から、フッた相手にリベンジをすべく、
ライバルとなった二人
さぁてどうなることやら…
ガラッ
「なにやってんだー?」
突如開いた教室の扉
暗くてよく見えないが、そのドスの聞いた声で、それが担任の荒川だとすぐわかる
「うわっ!」
「先生!?」
「…なんだよ、木ノ下と…川野か?真っ暗闇で大声なんか出しやがって!さっさと帰れー!」
担任も声だけでそれが瞬と優奈だと気づいたらしい
「はぁーい!」
「じゃぁねー!」
バタバタと教室を飛び出して笑顔で手を振り去っていくふたりを、あきれ顔で見送る担任
「…あいつら、付き合ってたっけ?」
そんな誤解も、生まれた日だった
最初のコメントを投稿しよう!