序章

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   周りのみんなが人を好きになっていく中、俺には人を好きになる、愛している、という感情は全く解らなかった。    それは俺にとって羨ましいことでもあり、同時に憂鬱にさせることでもあった。    小学や中学の修学旅行の時に誰が好きとか言い合いをする機会があったと思う。    そのときだけはみんな正直に自分の好いてる人の名前を話すものだが、かくゆう俺はバカ正直に居ないと答えてしまった。    冷めた奴、ノリが悪い、嘘つき、ムッツリ、など様々な言葉で罵倒された。    そのことからいじめを受けた訳ではないが、それでも幼少に受けた言葉というのは心の奥底まで響くものだ。
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