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弓親と桜妃が片付けをしている時、誰かがドタバタと廊下を走って来た。
『すんませんっ!!』
剣八『どうした?騒々しい…』
『あ、た、隊長っ!!えっと書類持って来たんすけど…』
廊下を走って来たのは真っ赤な長髪の男。
弓親『…ご苦労様。書類なら僕が預かるよ』
桜妃が片付け終わるのを見届けてから弓親が立ち上がり書類を受けとる。
桜妃は、というと…
書類を持ってきた人物の真っ赤な髪が気に入ったらしく、テコテコと歩いて近付き必死に手を伸ばしていた。
『わわっ…い、一角さん!!助けてくださいよ』
一角『あ゛?…嫌がんなよ。前に話したろ?桜妃だ。』
「…きれー。ちょーらい」
『あー。…納得っす。俺は恋次…』
「…ちょーらい!!」
剣八『おい』
その光景を見ていた剣八は呆れたように声を掛けた
恋次『お、俺っすか?』
剣八『おう。…チビが気に入ったらしい…その髪くれてやれや』
恋次『∑∑いやいやいや!!そんなん言われても…』
勿論慌てる恋次。
尚も寄越せと言わんばかりにしがみつく桜妃にやちるが声を掛けた
やちる『ひっちー。あの赤いのが欲しいの?』
「あい!!」
勢い良く敬礼してみせる桜妃にやちるは小さく笑うと頭を撫でた
やちる『ねぇひっちー、パパの髪も綺麗だよ?』
「…う?」
剣八『…余計な事を…』
桜妃の顔がゆっくりと剣八の方を向く。
剣八が呟いた通り
もちろん…
「ちょーらい」
剣八『…お前の頭にもあんだろ』
「やら!!」
剣八『嫌じゃねぇよ。綺麗な髪じゃねぇか紫で…』
「や!!」
剣八『……桜妃、やちるの方が綺麗な髪だぞ?』
やちる『け、け、剣ちゃんっ!!』
「…れんぶ、おうひの!!ぱぁぱのも、やぁるまぁまのも、おうひがもりゃう!!」
一角『弓親、通訳してくれ…』
弓親『一角…。まぁいいけど…。
全部桜妃の。パパのもやちるママのも桜妃がもらう!!…だってさ』
一角『…へぇ』
恋次、弓親、一角が見守る中、
保護者2人と本人の3人は夕方まで言い争ったとか。
「うわぁ~ん!!」
剣八『やちる、泣かしたんだから責任取って泣き止ませろ』
やちる『…はぁい…』
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